コラム「木谷高明の視点」
第52回 大盛況のイベントと自社IPの展開
2025年05月14日
木谷です。前回のコラムの最後に、次のコラムは6月6日公開と書きました。ですが、GWに複数開催したイベントが、おかげさまでいずれも盛況で高い評価もいただけたことから、感謝をお伝えするために急遽このコラムを書くことにしました。
なお、6月6日にも予定通りコラムを公開しますので、今回は特別編と思ってお付き合いください。
◆未来が見えたGWのイベント
まずは4月26日(土)・27日(日)に開催されたMyGO!!!!!×Ave Mujica 合同ライブ「わかれ道の、その先へ」。Kアリーナ横浜という最新設備が整った大アリーナでの開催となりましたが、2日間で約38,000名もの方にご来場いただく大盛況となりました。当日は有料のネット配信も実施し、会場にお越しいただけなかった多くの方にもご視聴いただきました。たくさんの方から感動したという声を頂戴しました。非常にいいライブになったと思います。
4月27日(日)に、横浜アリーナで開催されたスターダムの大会「ALL STAR GRAND QUEENDOM 2025」も好評で、7503名ものお客様にご来場いただきました。これは、スターダム史上過去最高の観客動員数となります。この大会は試合内容についても評判が高く、海外のお客様からも高評価をいただきました。
そして5月3日(土・祝)・4日(日・祝)に、東京ビッグサイトで開催した「カードゲーム祭2025」。こちらも大盛況となり、2日間の総来場者数は、昨年を大きく上回る21,929名となりました。
今回の「カードゲーム祭2025」はイベント全体が底上げされた感があり、来場者数をはじめ、イベント内で開催された大会の参加者数など、すべてが30%増しになった印象です。ここまでの躍進ができた要因はいくつか考えられますが、「カードファイト!! ヴァンガード」の作品人気が高まっていることが大きいと思います。ゲームが好きでプレイしてくださる方、アニメ作品が好きな方、アニメ作品が好きでゲームもプレイしてくださる方、この3種類のユーザー数がいずれも増加し、イベントを盛り上げてくださいました。
もちろん、「hololive OFFICIAL CARD GAME」や「ラブライブ!シリーズ オフィシャルカードゲーム」といった新規タイトルも、新しいユーザーを呼び込むのに貢献してくれました。
ちなみに最も増加したのは、外国人のお客様です。海外からの来場者数は、ほぼ倍増の勢いでした。
また、他社さんの出展も増え、目標としていた「カードゲーム祭」のオープンプラットフォーム化は、徐々にですが順調に進んでいます。そしてすでに発表していますが、「カードゲーム祭2026」は、来年の5月3日(日・祝)・4日(月・祝)に開催します。今後、「カードゲーム祭」は開催日を毎年5月3日・4日に固定して、カードゲームの定番イベントとして定着させていきたいと考えています。
いろいろと課題もありますが、改善を続け、前回のコラムで書いたように将来的には3日間開催に移行していきたいです。今回も「ヴァンガード」の8人トーナメントが盛況でしたが、ライトなユーザーさんも楽しめるコンテンツを増やして、より多くの方にご来場いただきたいと思っています。
GWのイベントは、たくさんの方にご来場いただき、また同時に高い評価をいただくことができ、ブシロードにとっては未来が見えるような催しとなりました。ご来場いただいた皆様、そして配信でご視聴いただいた皆様に、この場を借りて心より御礼申し上げます。
◆他社IPを大切にしつつ、自社IPで未来を拓く
ここからは直近の話題を交え、ブシロードの今後の戦略を記します。
7月17日(木)発売の対戦格闘ゲーム「HUNTER×HUNTER NEN×IMPACT」が、世界最大級の格闘ゲーム大会「EVO France 2025」のメイン種目に採用されました。
これはブシロードにとっては大きなニュースです。EVOのメイン種目に採用されているタイトルは、「ストリートファイター6」をはじめ100万本以上売れた大ヒット作がずらりと並んでいます。その中に名を連ねることができ、大変光栄に思っていますし、今後にとても期待しています。
また、7月に「ゴジラ カードゲーム」と「hololive OFFICIAL CARD GAME」の英語版が発売されることが決まりました。「ゴジラ カードゲーム」については日本語版と英語版の同時発売となります。こちらも大いに期待しています。
ただ英語版の展開については、トランプ米大統領による関税の影響が避けられません。その影響がどれほどのものになるかは、正直わかりません。現状では北米は手なりで進め、日本に近いところを積極的にと社内でシフトチェンジをかけています。基本に立ち返り、他社様からお預かりしたIPを大切にしつつも、自社IPを重視する方針で進んでいきます。
自社IPについては、「ヴァンガード」と「バンドリ!」のコラボが続いていきます。
TVアニメ「ヴァンガード Divinez」 のED主題歌を、「バンドリ!」の10バンドが週替わりで担当します。「バンドリ!」は今年で10周年なので、「ヴァンガード」とともに強く推していきます。
そして来年はいよいよ「ヴァンガード」が15周年を迎えるので、いまからいろいろな仕掛けを考えています。こちらも楽しみにしていただければと思います。
その一方で、カードゲーム市場全体を俯瞰すると、いよいよ踊り場に入りつつあるかなと感じています。ブシロードとしては、さらなる飛躍のために、これまでカードゲームを遊んでいなかった層を開拓していきます。
「hololive OFFICIAL CARD GAME」や「五等分の花嫁 カードゲーム」、「ラブライブ!シリーズ オフィシャルカードゲーム」、「ゴジラ カードゲーム」といった新規タイトルで、これまでカードゲームを遊んでいなかった方たちをカードゲームの世界に引き込みます。また、「ヴァンガード」では、低年齢層を開拓していきます。欲を言えば、コレクションももちろん結構なのですが、やはりゲームをプレイする層を増やしていきたいところです。
余談ですが、最近「フューチャーカード バディファイト」の復活を望む声をチラホラ耳にします。7月25日(金)に「ヴァンガード」で「バディファイト」とのコラボパックを発売しますが、「バディファイト」そのものの復活となると…いろいろと考えてしまいますね。
とはいえ、過去のものであっても自社で立ち上げたIPは大事にしていきます。ミルキィホームズが夏の「Animelo Summer Live 2025」(アニサマ)に出演するのもその一例です。
混沌とした世の中だからこそ、エンタメが持つ喜びや感動を届けていきたい。エンタメ業界でのブシロードの存在感を今後ますます高めてまいりますので、引き続きブシロードにご期待ください。