コラム「木谷高明の視点」
第34回 求められる〝勝ち組感〟に応えるために
2018年01月23日
〝勝ち組感〟のあるコンテンツ作りを目指します!
木谷です。明けましておめでとうございます。
今年は、人生の中でいちばん忙しく、いちばん重要な年という位置づけで臨みたいと思っています。
元旦の21時からTOKYO MXで13時間連続で放送された「バンドリ!&ガルパお正月13時間スペシャル!」は本当に盛り上がりました。私自身も13時間完徹でTV局に詰めて、まさに前回のコラムで掲げた〝前線から最前線へ〟を年始早々、実践しました。
今年、エンタメ界で特に重要視するべきなのは〝勝ち組感〟だと思っています。世間全体が同じ遊びに夢中になった時代は終わり、現在は消費者が遊びを選ぶ時代です。世の中のエンタメの数が増えて情報も増えたことで、お金ももちろんですが、時間もとても重要な資産だという考えが世間に浸透しはじめました。
誰でも、できるかぎり有意義な時間を過ごしたい。仲間がいないところよりも、すでにいるところ、もしくは仲間が増えそうな〝勝ち組感〟のあるところに人は流れます。好きなことについて語り合うことは楽しいし、仲間がいないと語れないですからね。そうすると、コンテンツでもイベントでも、勝ち組がさらに勝つ、という構造ができてくる。ですから、これからのコンテンツプロデュースはいかに〝勝ち組感〟を出すかがカギとなる。そのためには話題を常に発信していくことが必要になります。
例えばあるアーティストのファンの方が、ライブに参加するとしましょう。そうすると、まずライブ開催が発表されたらうれしくてつぶやきます。それからチケット優先申込券付きCDの発売日にもつぶやくでしょう。そしてチケットの当落が出たらつぶやいて、当選したら入金日にまたつぶやきます。ライブが近づいたら楽しみでまたつぶやくでしょうし、当日会場でもつぶやいて、さらにライブが終わったら感想を……と、1度のライブで10回くらいはつぶやくことになる。7,000人が定員のライブであれば、7万回はネットに何かしらの関連した情報がつぶやかれるんです。それをフォローしている何十万の人が見てもらえるので、ライブやイベントのSNSでの波及効果はとても大きい。そちらは私たちブシロードグループの得意分野ですので、うまく活用していきたいですね。
昨年からブシロードでも力を入れはじめたYouTubeチャンネルを使ったライブやコミケの物販紹介動画はだいたい3万人ほどの人が観てくれています。動画を観ることで事前に何が売られてるのか把握してもらえるので、お客さんにとっても商品選びが早くて楽になる。実際に動画をアップしはじめてから、物販売上が伸びました。
さらに、そういった何かを便利にする有益な情報はSNSで拡散されてそれがまたプロモーションにつながる。すべてが連鎖していく。まさに前回、お話しした「〝共感〟と〝協力〟」ですね。
ニュースは作り出すものだとよく言いますが、本当にそういう感覚を持って情報を発信していきたいですね。
スマートフォン向けゲーム『バンドリ! ガールズバンドパーティ!』(以下『ガルパ』)が、おかげさまで絶好調です。先月、今月と過去最高の売上を更新して、アクティブユーザーは増え続けています。
アナログカードゲームは業界自体が、よりいっそう厳しくなるとの見方もありますが、『ヴァイスシュヴァルツ』のブースターパック「ガルパ」を筆頭に、弊社のカードゲームはどれも好調です。既存タイトルでは話題性で、現在、『ヴァイスシュヴァルツ』が先行していますが、春からは『カードファイト!! ヴァンガード』と『フューチャーカード バディファイト』についても、昔からのユーザーが驚く仕掛けをたくさん用意しています。今後の発表にご期待ください。
新作では、12月の戦略発表会で発表したスマートフォン向けゲーム「トリモン」こと『トリプルモンスターズ』が今年の春にサービスを開始します。順調にいけば5月のゴールデンウィークくらいを目途に考えています。すでに5月にライブを開催することを発表しましたが、リリース前にライブの発表をしているゲームも珍しい。そういった意味でも新しいことを試す、野心的なタイトルになるはずです。ゲームはアナログカードゲームのノウハウを生かした〝デジタルカードファイト〟というゲームシステムの導入した純粋なカードバトルものを予定しています。
今年もブシロードは、みなさんをあっと驚かせる情報を発信してエンタメ界を盛り上げて行きますので、楽しみにしておいてください!