コラム「木谷高明の視点」

第31回 「加速するデジタル化の骨子たるものとは」

2017年06月26日

社長の木谷です。ブシロード10周年祭へご来場いただきました皆様、誠にありがとうございました。 3日間で延べ41,459名の方にご来場いただき、世界最大規模のカードゲームイベントは大成功となりました。

ブシロードは皆様のおかげで設立10周年を迎えました。しかし時代は変わり続けています。“10年前と今”と、“今と10年後”とでは、“今と10年後”のほうが見えている景色が大きく違っているはずです。ただ変わっていないものが1つあると思っています。それはコンテンツのデバイスの中心がスマホだということです。薄くなったり大きくなったり形が変わったり、多少の変化はあると思いますが、スマホが中心にあることは変わらない。この利便性にかなうものは出てこないはずです。 今後、さらにカードゲーム業界はデジタル化が加速していきます。これから数年、ブシロードはスマホアプリ制作に力を入れ、アプリと別の何かを組み合わせることを模索していくことになるでしょう。

おかげさまで、アプリゲーム『バンドリ! ガールズバンドパーティ!』が好調です。『スクフェス』に続いて『ガルパ』と2つの音ゲーを成功させたことで、アプリを含めて音楽コンテンツに力を入れているブランドイメージが確立できたように思います。

『BanG Dream!』は、アプリゲームのリリースを軸にライブ・アニメなど様々なプロジェクトを進めてきました。『BanG Dream!』の大元になったのは1冊の小説です。正確には原作ではありませんが、原作に相当するものを作り、アニメ化の際はそれを原案としながら中身を変えていきました。さらに小説以外にもコミックでの展開もありました。しかし、今回最も原作的な役割を果たしたのは、小説でもコミックでもなくライブだったのではないかと思っています。

キャラクターの声を担当する声優たちによるバンドユニット・Poppin'Partyから様々なドラマが生まれました。メンバーが増えていく過程もそうですが、バンドの活動がさまざまな部分で原作的な位置を占めることになりました。

たとえば1stライブ(旧1stライブ2015年4月18日開催)では、予定していたオリジナル曲が間に合わず、急遽披露する10曲のうち9曲がカバー曲になってしまった。苦肉の策でしたが、それがお客さんに非常にウケたんです。お客さんとしては、初披露のオリジナル曲よりも、誰もが知っているカバー曲のほうが盛り上がるわけです。 そのライブを見ていた『ガルパ』を共同開発したCraft Eggさんが「いいヒントをもらえました」と非常に喜んで帰っていった。その一件から、『ガルパ』にカバー曲が収録されることになったのです。ただリズムゲームでヒット曲をたくさん入れるだけなら、既存のゲームと違いがない。でも実際に彼女たちがカバー曲を演奏していることで、ファンの方にカバー曲が作品の一部、原作の一部として受け入れてもらうことができました。

これまでにないメディアミックス展開がうまく成功したと思っています。しかし今回のプロジェクトは大成功だと思われがちですが、予算と手間が相当にかかっています。 楽器を演奏して歌うというのは、歌唱のみのライブと比べて格段に難易度が高い。何もない状態からPoppin'PartyとRoseliaの2組のバンドを作って活動するのは本当に大変でした。 バンドはメンバーが一緒に練習している時間がケタ違いに多いですね。通常の声優ユニットの数倍練習を行っています。プロジェクトの成功は、彼女たちの努力のたまものといえます。

今年から来年にかけて、ブシロードでは、デジタルとアナログのカードゲームをセットで見ていく体制を整えていきます。既存のアナログカードゲームを盛り上げる努力をしつつ、オンラインカードゲームで集めたお客さんをアナログへと誘導していきたい。 まずはアプリゲームとの連動を進めて行く予定です。アプリゲームのデイリーアクティブユーザーは何十万人といますから、そのうちの一部でもアナログカードゲームへ興味を持ってもらいたい。そのための企画をいろいろと用意しています。 これまでお世話になった全国のカードショップのためにも、そちらを積極的に進めていこうと考えています。楽しみにしていてください。

ブシロード10周年イベントはまだまだ続きます。7月1日(土)、2日(日)に米国で開催する「グランドフェスティバル in USA」。さらに9月9日(土)、10日(日)にはシンガポールで開催する「CharaExpo 2017」と、海外でもスペシャルな企画をたくさん用意していますので、ご期待ください!