コラム「木谷高明の視点」

第10回 「就活とは、行動的な自分と企業の出会いの場」

2014年03月13日

ブシロード社長の木谷です。2014年が明けて、もう3月に入りました。
昨年から『バディファイト』のプロデュースに全力投入してきましたが、小学生ユーザー、『コロコロコミック』読者の間でマストアイテムのひとつに食い込むこともでき、おかげさまで非常に好調です。
『コロコロ』本誌での付録やパブリシティ、次世代ワールドホビーフェアでのプロモーション、テレビCMによる広告投下という、物量作戦を張って、大きな勝ちの端緒をつかむことができました。今後数年かけて『バディファイト』をどこまで大きくできるかの挑戦を続けます。

昨年から大人のコアゲーマー向けの新作カードゲームが多数登場しましたが、子供たちを含んだ広い層に訴求するにはハイリスクハイリターンのビッグプロジェクトとして取り組まないと勝てない。かねてからの持論を証明することができました。

さて、3月18日から、ブシロードも新卒採用の募集開始を予定しています。
このコラムを読んでいる就活生、そして企業の採用担当者のみなさん、どちらも、就活や採用を硬く考えすぎてはいないでしょうか。

ブシロードは先日、合同会社説明会に参加しました。
そこで、ゲストには新日本プロレスリングのオカダ・カズチカ選手に来てもらいました。
なぜかって、オカダ選手は26歳の若手スター選手として活躍していますけど、そもそもは中卒でプロレス学校に入って、メキシコに武者修行に行ってるんですね。 体格には恵まれていても、なんの根拠も実績もない少年がプロレスの世界に飛び込んで、今やスター選手になっている。人生を賭けてハイリスクハイリターンのプロジェクトに挑んでいるわけです。それを伝えたかった。

オカダ選手のリスクある人生に比べたら、就活生のみなさんは何も恐れることはありませんよね。
大学を出るなり、専門知識の基礎を身に付けるなりしているわけですし、企業に関する情報収集もしやすくなっている。
ですから、もう少し前向きに気楽に取り組んだほうがいい。気楽な状態で就活したほうが、結果的に自分の希望している仕事に就けるのではないかと思います。今の時代、一生を同じ会社で勤め上げる人ばかりではありません。会社の規模や業種よりも、やりたい職種で選ぶほうが、就職後も自分を奮い立たせて働くことができるでしょう。

就活についてもマニュアル化されていて、個性だとか自主性とかを要求するわりには、右向け右に従えるほうが有利みたいな風潮があるでしょう。服装だって、あえて派手だったりラフだったりする必要はありませんが、全員が黒スーツばかりになるのはおかしいですよ。就活自体に、そういう抑圧的な雰囲気があるんですね。
採用側も、組織からはみだしそうな人材を本能的に避けてしまう。自分が、既存の組織が持ちえないような発想の人間は持て余しそうだから、採用するにしても研究開発部門に閉じこめておこうとか……極端ですが、そういう守りの感覚に縛られていませんか?

1月の新春トリオで行った、先日のWGP『ヴァイスシュヴァルツ』世界大会では、日本語版なのに、外国人プレーヤーが優勝しました。彼は、日本で流行っている、つまり強いとされているデッキを仮想敵として、それに勝てるデッキを組んだんです。
カードゲーム用語を交えていえば、“日本人の国民性ごとメタられた”んです。
日本人は、ネットで「いい」「強い」とされたことを、そのままマネするから、全員が同じになってしまうから、対策すれば全員に勝ててしまったと。
なんでも海外が良いとはいいませんが、すでに「いい」とされているものを踏襲する日本人の弱さが現れた、象徴的な出来事だと思います。

周りと違う発想をしよう、異なる意見を言おうという積極性や差別化戦略は、「右向け右」を要求する日本の会社への就活ではハイリスクかもしれません。でも、そこで見せた自分を採用する企業と出会えたら、大きなリターンではないでしょうか。
やたらに変なことをして目立てばいいというものではないですよ。
それに、そもそも企業との相性もあります。自分を出して採用されなかったら、気にすることはありません。仮に採用されても不幸になるかもしれません。数を受けて、相性のいい企業を探すことも重要です。落ちまくると気持ちはへこみますけど、仕事での営業よりは気が楽ですよ。

ブシロードでの採用は、新卒も中途もまず適性検査を重視します。
考える余裕のない問題数の適性検査を通じて、その人の根底にある能力、性格を見るんです。明るくて行動的で自己主張ができるかどうか。
もちろん面接もしますし、インターンシップでの印象も重要ですけど、そこで重要なのは「一緒に働きたいかどうか」。クリエイティブな発想ができる人は、デスクに向かって単純作業していても違いますしね。

面接での印象は飾れるものですから、ある意味で公平な一次試験を必ず行います。結果的に学歴はバラバラになりますね。
ブシロードでの仕事に興味や意欲がある就活生のみなさん、ぜひ応募してください。良い出会いをお待ちしています!

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