コラム「木谷高明の視点」

第12回 「カードゲーム市場は上昇トレンドに乗った!」

2014年05月21日

ブシロード社長の木谷です。先日(4月26-27日)の『大ヴァンガ祭2014』にはたくさんの方々にご来場いただきました。ありがとうございます。概算ですが2万人近い方に楽しんでいただけて、想像以上の盛り上がりになりました。
アニメから入った女性ファンや、韓国、台湾など海外から来てくれた方まで、カードゲームを核として広く『ヴァンガード』が愛されていることを実感しましたね。会場を歩いていたら「一緒に写真を撮ってください」「握手してください」「面白い作品を作ってくれてありがとうございます」……などとうれしい声をかけていただいて、感激です。

『ヴァンガード』を立ち上げて4年目を迎えますが、アニメと商品展開とイベントを通じて、ファンの方々にも楽しみ方のサイクルが根付いてきたように思います。年に一度は『大ヴァンガ祭』で大きく盛り上がるのも定着していました。慢心はしませんが、安定した人気の作品に育ったと自負しています。

年初から「もうちょっと横ばいが続くだろう」と予想してきたカードゲーム市場ですが、4月を起点に上昇に転じたと感じています。

ひとつではなく、複数のタイトル群が同時に盛り上がってきたことによって、市場全体が回復し、場合によっては再成長もありうるのではないでしょうか。最盛期は抜けないにせよ、ここ2年間で下がった分の半分は戻せるでしょう。ざっくり、年間900億円市場と予想しておきましょうか。

本当は、苦しいけれどもうちょっと調整期間が続いて、流通の再整理ができてからのほうが、勢いよく伸びたかもしれません。
単純に早売りの対策として一次~二次問屋さんの流れが、地方ごとにスマートになったらいいのでは……という思いもありますが、目下の課題としては、通販が伸びていること。伸びてしまっている、とも言えます。
通販で手軽に買って、シングルだけお店に流すというのも、カードゲーム市場の側面ではありますし、売れることは基本的にはうれしいことです。ですが、それでは専門店が疲弊してしまいます。しかもその流れが、価格をネットで比較できることで効率化され、どんどん粗利を削ることにつながっています。
ニーズ先行の盛り上がりは、売って稼いで消費して終わりという、悪く言えば雑な商品の流れを加速させる側面もあると思います。

メーカーとしてできることとして、公認店を応援する商品にもっと力を入れていきます。
『ファイターズコレクション2014』にも公認店限定ボックスをご用意しましたが、こういった「公認店だけ」の商品を定期的に企画していきます。 公認店で買う、集まって遊ぶという環境を応援していくことがカードゲーム専門会社の責任ですからね。

メディアクリエイトさんの調査で、ブシロードが年間シェアのトップになりました。支えていただいたユーザーさん、ショップの皆さんのおかげです。わずかな差ですし、売るための仕掛けを大量に投入しての、血を流しながらのトップですから、喜んでばかりもいません。
今年も業界の一員としてファンや専門店に還元できる企画を展開していきます。
ご期待ください。そして、ショップさん、問屋さん、どしどし、ご意見ください!