コラム「木谷高明の視点」
第1回 「どうやってカードゲームを楽しめばいいか」
2013年04月01日
ブシロード社長の木谷です。今月から月1回程度、我が社の様々なプロジェクトについて公式サイト上で自分なりの考えをお伝えしていきたいと思います。
まずは第1回ということで、カードゲームの初歩の初歩、まだ遊んだことがないという方に向けて「どうやってカードゲームを楽しめばいいか」というお話を最初にしたいと思います。すでにカードゲームをプレイしている人にとっては、いまさら当たり前な話になると思いますが、少々お付き合いください。
3月末から5月上旬、いわゆる春休みからGWまでの期間はブシロードにとって、年間を通じてとくにプロモーションを重要視している期間です。進級、進学、就職といった形でコミュニティのシャッフルが起こるからですね。趣味や習い事を4月から始める人も多いですし、環境が変わることによって、周囲の顔ぶれも変わる。カードゲームを遊ぶ友達が近くにいれば、そのグループ全体もプレイヤーになる可能性も大きいですから、新しい環境でどんな楽しみを持とうかという人に「カードゲームで遊んでみてはどうですか?」という提案を積極的に行なっているわけです。
その上で実際にどんなカードゲームから手を出せばいいのか、いくつか選択肢があるんですが、ライトにワイワイ遊びたい人もいれば、ゲームとして突き詰めたい人もいると思いますので、当社のラインナップから、初心者に向けたシリーズをいくつか紹介しておこうと思います。
一番ルールがわかりやすいのは『ヴァンガード※1』ですね。アニメや宣伝広告を見かけた方も多いでしょうし、それに伴ってプレイ人口も一番多いです。カードゲームは対戦相手が必要ですし、当然プレイ人口が多いほど遊びやすいですから、とくにこだわりがなければ『ヴァンガード』から入るのがおすすめです。システム的にも初心者がきちんと勝てる要素を盛り込んでいます。
続いておすすめしたいのが『ヴィクトリースパーク※2』と『ヴァイスシュヴァルツ※3』ですね。この2タイトルはアニメやゲーム、ライトノベルの人気キャラクターがクロスオーバーして登場する形式なので、好きな作品が参戦しているシリーズから選ぶのがいいんじゃないかと思います。まずはこの3つから、自分に合ったものを試してみてください。それに慣れたら『Chaos TCG』『モンスターコレクション』というシリーズもありますので、こちらもぜひ試してみてください。
2012年にスタートした『キング オブ プロレスリング』は『ヴァンガード』よりさらにシンプルです。カードに書かれた番号をPCやスマートフォンから登録するだけで遊ぶことができます。アナログなカードゲームではなく、オンラインで対戦できるという形式ですね。近頃はスマートフォンのユーザーも増えましたし、こうしたアナログとデジタルの要素を両方取り入れたハイブリッド型のシリーズは2013年も重視していきたいと思います。
誤解のないよう言い添えますと、今後カードゲームをアナログからデジタルへ移行していくという意味ではありません。ソーシャルゲームもふくめて、いま相当な数のカードゲームが世の中に登場しています。当社もスマホ用のゲームブランド「ブシモ」を展開していますが、デジタル全盛の時代だからこそ、アナログゲームの楽しみを大切にしていきたい。ブシロードとしては今後もきっちりアナログゲームの楽しみを提供していきますので、その点はご安心ください。
では具体的にどうカードゲームを始めるかですが、まずはショップに行ってトライアルデッキこちらを買って教えてもらうのが一番簡単です。ふたりで行けば、なお覚えやすいですね。とくに『ヴァンガード』に関しては全国850店舗で大会を開催していますし、少なくとも各都道府県の大きな町には必ずそういうカードゲームショップがありますので、お近くのショップに足を運んでみてください。
最初に必要な金額が控えめなのも、カードゲームの大事なポイントです。『ヴァンガード』の場合、トライアルデッキの価格は1050円です。トライアルデッキだけでもきちんと遊べるようになっていますので、お子さんがカードゲームで遊んでいる親御さんも、ぜひトライアルデッキをひとつ買って試してもらえればと思います。とにかくカードゲームについては専門店を活用してください。そこに行けばいろんなことが自然と身につきますし、対戦する仲間も見つかります。
カードゲームでは手札のセット――専門用語で「デッキ」と呼んでいますが「まずはデッキを組んで対戦してみよう」というのが最初の一歩ですね。友達に教えてもらってもいいし、ネットや専門誌の情報を参考にしてもらっても大丈夫です。カードゲームの面白いところは、対戦していないときも楽しいんです。どういうデッキを組むか、どういう戦法で戦おうか、それを考えているだけでも楽しい。将棋や囲碁にも近い要素があると思いますが、カードゲームも同じアナログゲームとして、そういう楽しみは欠かせないポイントです。
対戦とデッキ構築、それに加えてカードをコレクションする収集の楽しみもあります。いろんな楽しみ方ができるエンターテインメントなので、少しでも興味を持っていただけたら、気軽に試してみてください。いろいろと基本的なことのおさらいになりましたが、初回ということで、まずはこの辺で。
※1 ヴァンガード
『ブシロード史上最大の作戦』と銘打ち、積極的なメディアミックスが展開されているカードゲーム。2011年2月よりアニメがスタートし、角川書店『ケロケロA』で伊藤彰原作のコミックが連載中。ルールが簡単で、初心者でもすぐに始められる。また、公式イメージキャラクターのDAIGO出演のCMなども目にした人も多いはず。
※2 ヴィクトリースパーク
2009年10月スタート。「サンデーVSマガジンTCG」を前身としており、コミック、アニメ、ゲームと「ヴァイスシュヴァルツ」と並んで多彩な参加ラインナップを誇る。わかりやすいルールでダイナミックな展開が楽しめる。
※3 ヴァイスシュヴァルツ
人気の高いアニメやゲーム作品がいくつも参戦しているTCG。各作品ごとのカードを集めてデッキを構築し、作品の垣根を越えて対戦できる自由さと、初心者にも勝つチャンスがあるゲーム性が特長。
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