コラム「木谷高明の視点」

第60回 海外展開のさらなる加速と新たな経営体制

2026年07月30日

本日7月30日、「パルワールド オフィシャルカードゲーム」が発売となりました。ブシロードのカードゲームでは初となる、日本語版、英語版、簡体字版の3言語で全世界同時リリースいたしました。国内外から多くのご注文をいただき、ブースターパック第1弾は初回で350万パックを出荷する大変好調な出足です。全世界400店舗と各大型イベントで実施している講習会の参加者も、累計で1万5千人に迫る勢いです。

そして既報のとおり、新たにマレーシアと中国に現地法人が設立 されます。ブシロードのグローバル展開は加速している状況です。

出生率の低下と「推し活市場」の拡大

当社製カードゲームの海外売上比率は、はじめて50%を超える見通しですが、これをさらに加速させていきたいと考えています。その理由がこちらのデータです。

【出典】各国政府の統計機関および国際機関の公表データを基に作成
※2025年の数値は各国発表の最新公表データ(2025年暫定値・2024年確定値)および一部推計値を含みます。

2015年と2025年の合計特殊出生率を比較すると、ほとんどの国で大幅に低下してしまっています。そしていわゆる「推し活市場」は、出生率の低下と逆相関する形で拡大しています。

【出典】株式会社矢野経済研究所「オタク市場に関する調査」データを基に作成

推し活は東アジアが盛んでしたが、南北アメリカや東南アジアなど世界のいろいろな地域に広がっています。世界一の人口を抱えるインドでも出生率は2を割り込んでいる状況ですから、推し活市場の拡大はこれから本格化すると考えられます。特に東南アジアは、かなりの速度で出生率低下が進んでいます。

【出典】Financial Times(John Burn-Murdoch "Could digital media be affecting birth rates?" )より引用・作成
なお、全世界で出生率が急激に低下した理由については、スマートフォンの普及が原因だという説(※リンク先は有料英語サイト)も発表されています。

出生率が下がると当然さまざまな弊害も出てきますが、我々としては、この環境の中でどうやって我々の作るコンテンツやキャラクター、そして物語を楽しんでいただくかを考えていくしかありません。ブシロードが得意なのはライブエンタメですから、カードゲームの大会や音楽ライブ、その他イベントなどでアクティブに我々が作り出すコンテンツを楽しんでいただきたいと考えています。

世界戦略を加速させる新経営体制

ではブシロードはどうするか。すでに世界で遊んでいただいている「カードファイト!! ヴァンガード」は、より多くの人に遊んでもらえるようさらなる拡大を図りつつ、日本と東アジアが中心の「バンドリ!」も、東南アジアや欧米でも展開していきたいと思っています。

バスケットボールがテーマの「ZERO RISE」は米国や中国でも流行らせたいと思っていますし、舞台演劇がテーマの一つにある「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」もアジア圏に限らず実は欧米でもウケるコンテンツではないかと考えています。

そういった一連の自社IPに加え、「パルワールド オフィシャルカードゲーム」をさらに世界に押し出していきます。

アニメ、マンガ、ゲームといった日本のエンタメは世界で受け入れられています。この流れはこれからも加速していくでしょう。日本のエンタメはさらなる巨大産業になります。世界的に子供の数が減少しそうな50年後はともかく、向こう20~30年くらいは成長し続けるでしょう。

そのような流れの中で、経営体制の見直し も実施します。ブシロードのライブエンタメを担ってきた根本が社長に就任し、私は代表権のある会長に就きます。カードゲームについては、引き続き私自身が担当します。カードゲーム世界一を目指し、これからも邁進していく所存です。

当初は、社長交代はもう少し先のことと考えていましたが、この変化の激しい時代、ちょっと早いかな、と思うくらいがちょうどいいだろうという結論に至りました。創立20周年の節目を前に、ブシロードはセカンドステージに入ったかなと思います。今回の社長交代の経緯については、こちらの記事 もご一読ください。

ブシロードは世界を舞台に戦っていきます。世の中の変化が驚くほど速いAI時代。決して取り残されないよう、これからも気を引き締めてがんばっていきたいと思っています。
引き続きよろしくお願いいたします。