【登壇者】
代表取締役社長 木谷 高明
取締役・ライブエンタメユニット長、兼コンテンツ本部長 根本 雄貴
取締役・MDユニット長 成田 耕祐
執行役員・経理財務本部長 高橋 昌宏
【文字起こし】
高橋: ブシロード執行役員 経理財務本部長の高橋と申します。本日はお忙しい中、ご参加賜り、誠にありがとうございます。それでは、まず、2026年6月期通期決算概要についてご説明いたします。
2026年6月期は、売上高 578億2300万円、前年比 プラス16億4,800万円、営業利益 47億5400万円、前年比 マイナス1億1,400万円、経常利益59億3000万円、前年比 プラス10億8600万円、親会社株主に帰属する当期純利益 45億6500万円、前年比 プラス11億4,700万円となりました。
2026年6月期は今後のための準備期間、仕込みの年という位置付けではございましたが、結果としては売上高は通期過去最高、営業利益も前年に次いで過去2番目と、極めて順調な年でした。売上の4割から5割ほどはTCGではございますが、それ以外のライブエンタメ、MD、メディアコンテンツといった他の各ユニットが成長したというところが非常に大きかったと思っております。
続きまして、各ユニットの第4四半期の動向について説明させていただきます。
木谷: ブシロード 代表取締役社長の木谷です。私からはまずTCGについてご説明いたします。売上高73億9,300万円、前年同期比 マイナス5億8,500万円となりました。
主力商品である「ヴァイスシュヴァルツ」、「カードファイト!! ヴァンガード」について、第3四半期は調整期間でした。第4四半期では、特に「ヴァイスシュヴァルツ」に関しては3つのことを実施しました。1つは、幅広い層への訴求が期待できるタイトルを取り入れることです。また、TCGはVol.2、Vol.3とシリーズが続くにつれて、新規のユーザーが入りづらくなる傾向があります。そのため、幅広い層に訴求できるタイトルに加え、シリーズの入り口となるVol.1のタイトルも増やしました。 2つ目は、「ヴァイスシュヴァルツ」18周年ということもあり、色々なキャンペーンを実施しました。同様に「カードファイト!! ヴァンガード」も15周年のキャンペーンを行っています。3つ目は、「カードファイト!! ヴァンガード」も含めて仕様変更、要するにカードの入り数などの変更をしました。「ヴァイスシュヴァルツ」はもっと大胆に、ボックスの定価を5,280円から4,400円にし、パックの入り数も変更しました。この3つによって、かなり順調に回復しました。また、カードゲーム祭についても過去最高動員となりました。
TCGの海外売上高につきましては、2026年6月期通期で前年同期比 プラス13億5,900万円の114億4,700万円となりました。国内が149億2,700万円、海外が114億4,700万円、海外売上比率が43.4%ということですが、この海外売上には日本語版の海外輸出と英語版、また簡体字版等も入っております。
2027年6月期は『パルワールド オフィシャルカードゲーム』の出だしも良く、すでにお知らせしているように海外売上高比率が50%を超えるのではないかと考えております。2026年6月期は仕込みの年としていたのですが、売上的にはその前年の2025年6月期とほぼ横ばいに保つことができました。2027年6月期はいよいよ仕掛ける年だということです。まず一番大きいのは『パルワールド オフィシャルカードゲーム』です。発売日であった2026年7月30日の前に世界出荷数が350万パックを突破しました。講習会についても、世界20以上の地域にある約400店舗と記載していますが、内訳は国内が約120店舗、海外で約280店舗です。そして、約280店舗の内の約160店舗が北米(アメリカ、カナダ、メキシコを合わせた店舗数)になります。日本国内よりも北米の店舗の方が多くやっています。これは単にキットを送ってやってもらうのではなく、すべてブシロードの社員が行っております。私も7月に自分で車を運転して、高崎市、長岡市、新潟市、金沢市、大垣市、名古屋市、浜松市、静岡市など13店舗を回って講習会をやらせていただきました。これと同じようなことを社員が国内約120店舗、北米も14チームに分かれて、手分けして回っています。これ以外にも、インドネシアやシンガポール、マレーシア、フィリピン、オーストラリア、ヨーロッパではイギリスやフランスにも行って講習会を回りつつ、世界の大きなイベントでも講習会をやっています。ロサンゼルスで行われた「Anime Expo」からスタートし、ここでは4日間で1,984人に講習へ参加いただき過去最高人数となりました。それ以降、最近では「Gen Con 2026」や「Bilibili World 2026」、また当社の大会、シンガポールでのカードゲーム祭でも講習を行い、現時点で約1万4500人が参加しています。この講習会の人数自体も過去最高です。それぐらい気合を入れてやらせていただいてる次第です。『パルワールド オフィシャルカードゲーム』はまだ第1弾しか発売していないため、今期でどれぐらい成長していけるかは第2弾、第3弾と出るまでは分からないと言わざるを得ません。今のところすごくいいスタートダッシュですが、急に失速することもあり得るため、今打てる手をすべて打っている状況でございます。
それから「カードファイト!! ヴァンガード」の最新アニメシリーズ 「Divinez」は、2026年1〜3月に12話を放送、残りの3話を10月に劇場先行公開し、その後テレビで放送します。これにて2021年から続いた「Dシリーズ」がいったん幕を閉じようとしています。来年は15周年を記念した完全新作テレビアニメシリーズを2027年1月から放送する予定です。私もシナリオの1話を読みましたけれども、かなり面白いと思っています。初期企画ではメインキャラクターに小学生が入っていなかったのですが、私は小学生はやっぱり同世代じゃないと感情移入できないのではないかと考え、入れてもらいまして、もう一回小中学生に向けて開拓をしようかなと思ってます。アニメをやりつつ、コロコロコミックとの連携もより深めていきたいなと考えております。
2027年6月期はTCGの海外売上比率50%超えの見通しでございますが、新たにマレーシアに現地法人を作りました。株式会社ブシロードアジアの100%子会社でございます。これは当初は販社、いわゆる小売店に対して卸す問屋の役割です。中国現地法人に関しましては製造、中国で作って中国国内に卸すという製造の意味合いが大きいです。中国現地法人に関しては日本からコントロールはしますが、マレーシアに関してはブシロードアジアに任せております。ブシロードアジアは韓国のパートナーと一緒に作っている会社で、社員約10人のうち日本人は一人もいないんです。マレーシアの現地法人にも日本人は一人もいません。やはり世界に攻めていくパートナーとして中国人と韓国人は心強い。3ヶ国語を喋れる人もいますし、日本人とメンタリティが結構似ています。非常に意思疎通もやりやすく、自分たちでできないところはもう彼らにやってもらってもいいかなと思っております。
続いて、デジタルゲーム・ライブエンタメについて、根本よりご説明いたします。
根本: ブシロード取締役 ライブエンタメユニット長 兼コンテンツ本部長の根本です。まず、デジタルゲームについてご説明いたします。デジタルゲームは、売上高13億円、前年同期比 マイナス4億5,800万円となりました。2026年2月に新作の「HUNTER×HUNTER NEN×SURVIVOR」をリリースいたしました。初動の売り上げから落ち着いてきたこともあり、クォーター比では減収しております。今後の展開としては、新作モバイルゲーム「BanG Dream! Our Notes」の年内リリースを予定しており、2026年8月17日時点で事前登録者数がグローバル120万人を突破しております。国内は当社がパブリッシングを行い、海外においてはbilibili社にパブリッシングをしていただき、全世界同時リリースを目指して現在最終調整中となっております。まだまだ事前登録者数を伸ばしていきたいと思っておりますので、ぜひご期待いただければと思います。
続いてライブエンタメユニットについて売上高19億円、前年同期比 マイナス2億8,100万円となりました。第3四半期と比べて大規模イベントの開催数は少なかったものの、CD商品が貢献し順調に推移いたしました。2026年4月には台北にて、バンドリ!プロジェクト初となる海外での野外合同ライブ「BanG Dream! Special LIVE in TAIPEI」を開催しました。台北ではこれまで2,000人規模の会場でライブを開催したことがありましたが、今回は初めて2日間で約2万6000人を動員させていただきました。海外のライブを前期より推進し、今までは上海を中心に開催してきましたが、2026年8月8・9日にはAve Mujica LIVE TOUR 2026「Exitus」台北追加公演にて2日間で約1万7000人を動員し、2026年8月14・15日はRAISE A SUILEN LIVE 2026「Boot IGNITION」香港公演にて2日間で約9,500人を動員しました。国内のライブも増やしつつ、海外のライブは現在は東アジアが中心になっておりますが、東南アジアや、2026年7月にAnime Expo 2026「J-POP SOUND CAPSULE」にRoseliaが出演しましたが、北米などもこれからチャレンジしていければと思っております。
FY25第4四半期では2025年1月からAve Mujicaのアニメの放送があり、その集大成となる大型ライブが集中していたため、前年同期比ではマイナスになっていますが、バンドリ!プロジェクトではMyGO!!!!!、Ave Mujicaがアリーナクラスのライブで動員できるようになり、各バンドが積極的に国内、海外ともにライブをしているため動員数が増えてきております。数字としてはFY25では年間でバンドリ!プロジェクトのみで約15.4万人を動員しましたが、FY26では年間約25.7万人を動員しております。ブシロードミュージック全体ではFY26で約29.2万人の動員となっており、このライブの動員数がライブエンタメユニット通期最高売上を牽引した要因となります。
FY27のバンドリ!プロジェクトの展開としては、2026年7月よりTVアニメ「バンドリ! ゆめ∞みた」を放送しています。2026年10月にはTVアニメ「BanG Dream! Ave Mujica」の続編となる新作映画、2026年内の新作モバイルゲーム「BanG Dream! Our Notes」のリリースに加え、2027年1月には「BanG Dream! It's MyGO!!!!! / Ave Mujica」の続編TVアニメの放送を予定しております。日本テレビ様、TOKYO MX様他で放送していただく予定となっておりますが、今までよりも多くの視聴者に見ていただいて、現在バンドリ!はまだマイナー寄りのコンテンツですが、FY27ではメジャータイトルになれるよう頑張っていきたいと考えております。
続いてMDについて、成田よりご説明いたします。
成田: ブシロード取締役 MDユニット長の成田です。MDは売上高25億9,900万円、前年同期比 マイナス7200万円となりました。QoQでは増収しており、順調に推移しました。FY26通期では91億円台となっておりましてFY25を超えて順調に推移しているかなと思っております。まずフィギュアブランド「PalVerse」はブラインドパッケージで全世界に流通しておりますが、足掛け3年ほどで一気に伸びたカテゴリーでございまして、非常に好調です。第3四半期に続き第4四半期でも好調で、ブランドの四半期最高の売上を更新しました。
今後の展開としては、FY26で大きく伸長したフィギュアブランド「PalVerse」の更なるグローバル市場の拡販を進めつつ、「ブシカプ!」ことカプセルトイ、そして今後はボックストイにも注力いたします。ボックストイブランド「BUSHIROAD THE BOX」は日本円で500円〜600円のカジュアルな価格帯です。カプセルトイ事業も10年ほどやっておりますが、海外にはカプセルトイ筐体が一部の地域を除き多くはないため、商品をブラインドボックスに入れてグローバルに販売する両面流通を行っています。展示会や海外現地の問屋とも日々コンタクトをしている中で、消費者が物価高に苦しんでいるエリアもあり、より安い価格帯の商材が欲しいという需要が非常に増えてきております。日本円で言うところの500円付近のフィギュア商品を提示できる日本のメーカーが実はほとんどいない状況です。その国々、そのエリアの事情に応じた商材を展開できるようにしていきたいなという思いがございまして、様々な価格帯のブラインドパッケージを用意して展開してまいります。こちらがすでにFY27の第1四半期でかなり好調な滑り出しをしております。
参考としてMD事業の商品カテゴリー別売上構成比を今回初めて出させていただきました。非常にバランスがいいというか、何かに頼った一本足打法ではないというところが強みでございます。「PalVerse」は直近3年で出てきたものですので伸長率が高くなっています。ブシロードクリエイティブの売上のほとんどはライブグッズなのではというイメージをお持ちの方も多いと思いますが、実は売上の構成比としては21%となっております。もちろん自社のIPはとても大切ですので、そちらで高収益の商品計画を実現し続けることが弊社のMD事業において最も重視すべきことだとは理解しておりますが、やはり他社様からお預かりしたIPを様々な形で世界中に流通させる手段が増えていることは、多面展開の性質を持つMD事業においては大事だと思っておりますので、そういった観点でライブグッズ以外のカテゴリーが伸びていることは、ブシロードクリエイティブの強みだと感じております。グローバル市場の動向に応じて年々構成比は変わるとは思いますが、その時々の需要に合わせて展開をしていきたいなと考えております。
続いてメディアコンテンツ、スポーツについて、木谷よりご説明いたします。
木谷: メディアコンテンツは売上高6億1400万円、前年同期比プラス1億4,000万円となり、四半期過去最高売上を記録しました。
メディアコンテンツは前期から新たにできたユニットです。出版を行うブシロードワークスと、代理店業務をはじめ声優事務所やイベント受託などを行うブシロードムーブが該当します。今後の展開として、出版で出てきたヒット作をアニメ化に乗せていく仕組みとして、この2社を一緒に活動させた方がいいということで、同じユニットになっております。
何が伸びているのかを見ると、主力タイトルは「魔法使いの嫁」ですが、他タイトル含めて電子書籍が非常に伸びております。各電子書店で上位にランキングされる作品も出始めております。まだビジネスとしては始まったばかりですが、エンタメ業界のニュースメディア「gamebiz」が手掛けるエンタメ業界特化の転職支援サービス『エンターエンタ』も提供開始しております。
2026年7月より「スポーツユニット」を「ライブエンタメユニット」へと統合・発展させる事業ユニット再編を行いましたが、前期の実績としてスポーツでは、売上高15億6,700万円、前年同期比 マイナス1億3,200万円となりました。
第3四半期に新日本プロレスの大型大会があり、QoQでは減収となったものの順調に推移いたしました。
新日本プロレスに関しましては、2026年6月14日に上半期最大のビッグマッチ「DOMINION 6.14 in OSAKA-JO HALL」を開催し2回目の全国ネット放送を行いました。スターダムに関しましては、「ミツカン フルーティス presents ALL STAR GRAND QUEENDOM 2026」を開催し、団体史上最多となる8,015人を動員しています。ブシロードは特に3次元の女性たちをより輝かせるというところが会社として持っている強みではないかなと思っていますので、スターダムのライブエンタメユニット入りは非常に相性がいいのではないかと考えておりますし、スターダムのブランド価値をさらに向上させることを目指していきます。
各ユニットの説明は以上でございます。
最後に2027年6月期の業績予想と配当予想についてご説明いたします。2027年通期の業績については、売上高580億円、営業利益53億円、経常利益60億円、親会社株主に帰属する当期純利益42億円と予想しております。
2026年6月期は、今後の展開のための準備期間、仕込みの期間という位置付けでした。2027年6月期の目玉は『パルワールド オフィシャルカードゲーム』と「BanG Dream! Our Notes」の2つでございますが、今のところ現状を加味してこのような業績予想を出させていただいております。580億では全然増えてないじゃないかと思われるかもしれませんが、新日本プロレスの分が50億弱抜けて、そこを埋めて、580億が現在の業績予想になります。これは『パルワールド オフィシャルカードゲーム』の第2弾、第3弾の状況、また「BanG Dream! Our Notes」のリリースを受けて、予想に変更が生じた場合は改めてお知らせいたします。
続いて、配当予想についてです。2027年6月期の配当予想は、株式分割後の換算で1株当たり3円としており、2026年6月期から増配の見込みです。
来年は当社の創立20周年になるということもあり、2027年1月8日に「ブシロード新春大発表会2027」を、2027年6月12・13日には「ブシロード20周年記念ライブ」を、また、「カードゲーム祭2027」は3日間開催します。20周年記念として現時点でお伝えしているのはこの3つですが、さらに20周年にちなんだことに取り組む覚悟をしております。あっという間の20年でしたが、皆様の応援でここまで来ることができました。
【出典】各国政府の統計機関および国際機関の公表データを基に作成
※2025年の数値は各国発表の最新公表データ(2025年暫定値・2024年確定値)および一部 推計値を含みます。
追加で、出生率の低下のスピードにオタクマーケットの拡大が逆相関するという持論を持っておりまして、少し説明したいと思います。
各国の出生率の下がり方、特に東アジアと東南アジアの下がり方が急激です。そして出生率が下がっている国ではオタクマーケットが急拡大しております。
【出典】Financial Times(John Burn-Murdoch "Could digital media be affecting birth rates?" )より引用・作成
ではなぜこの出生率が世界中で下がっているのか。出生率は社会的な常識が変わり、働き方が変わったり暮らし方が変わったりして、時間をかけて下がっていくものだと思っています。それが東アジアや東南アジアでは急に下がっている。それはスマホの普及が起点になっているというのが米Financial Times紙(J. Burn-Murdoch)の記事です。私はこれを概ね正しいと思っています。要するにスマホに人生を取られているという話です。これがインドであろうが中東であろうがアフリカであろうが、スマホは非常に普及していますから、出生率もあっという間に下がっていくのではないかと考えております。
【出典】株式会社矢野経済研究所「オタク市場に関する調査」データを基に作成
その中で、日本のエンタメコンテンツ、キャラクターが推し活の対象となることが世界中で非常に多くなっており、これらの普及が加速するのではないかなと予想しております。
このこともあり、中期経営計画である「中期ビジョン2030」では3つのことを掲げています。まずカードゲームで世界一を目指す。2番目としては自社IP、やはりグローバルで展開するには自社IPの方がやりやすいですから、自社IPの活性化を目指す。3番目としてはこれらを伴って海外展開を加速する、この3つに重点的に力を入れることがこれからのブシロードの要かなと思っております。
そんな中で、2026年6月30日に新日本プロレスを譲渡させていただきました。これは新日本プロレスがこれから先成長するには、もうブシロードじゃないなと思ったのが一番大きな理由です。メディアと一体化しなければこれ以上の成長は難しいだろうと判断し、ブシロードグループという事業ポートフォリオの中から外れていただくことになりました 。また、過去数年で譲渡や統合をいくつか行ってきました。どれも非常に愛着があるのですが、やはり作品がずっと残ること、もしくは会社が永続的に成長することを第一に考えて常に事業ポートフォリオは見直しを図っていきたいなと考えております。
今期も頑張りたいと思います。以上で説明を終わらせていただきます。ありがとうございました。
【質疑応答】
質問者: 前期が仕込みで、今期は仕掛けの年であるとのことですが、TCGの今後の展開は仕込みと仕掛けの山谷が出るような流れになるのか、もしくはずっと連続して仕掛けの年になっていくイメージなのか、どちらでしょうか。
木谷: 基本的には山谷にならないようにしていく、またTCGでは起こりにくいですが、一時的に凹みや横ばいになるのは仕方ないかなと考えています。ただ仕込みの時は、まあせめて横ばいを目指すようにしたいなと思ってます。
質問者: TCG開発のキャパシティについて、現在はどうでしょうか。
木谷: 上手く回ってるかなという気がします。タイトル数が増えてきたことで、逆に開発、特にプロデュースに携わった社員が増え、そこから分派してまた新しい開発チームを作れるようになってきたため、プラスに作用してると思っています。
質問者: 『パルワールド オフィシャルカードゲーム』がかなり大きなヒットになりそうというところで、今後の仕込みや計画しているタイトルはありますか。
木谷: 次から次へと『パルワールド オフィシャルカードゲーム』並みのタイトルを出していけたら苦労はないですが、新規の案件、走っているものはあります。最近は話を持ち込んでいただくことも増えています。やはりTCGはインフラビジネスなんですね。例えば当社のブシナビという公式TCGツールがあります。日本語版とグローバル版があるのですが、大会をやるにしても講習会をやるにしても、こういったツールが不可欠になっています。これがあれば、どこのお店で何人が大会に参加したか、このカードゲームのプレイヤー層がどのくらいいるかなどが分かります。新規TCGを頼むにしても、このようなインフラを持っている会社でないと難しいと思います。そのため、投資は怠らず継続してやっていますし、業界の中でこのインフラをしっかり持ってるところは多くないはずです。この差がこれからとても出てくるかなと思っております。
質問者:『パルワールド オフィシャルカードゲーム』以外のTCGタイトルについて増収想定などの手応えがあるかを教えてください。
木谷: 既存タイトルについて、サービス終了予定のタイトルも含め下がっていくものもある一方で、上がるものもあり、総合すると少し増収になると考えます。
質問者:各ユニットがどのような方向感で今期の予想を作られているかを教えてください。
木谷: 「BanG Dream! Our Notes」を除いても、現在TVアニメ「バンドリ! ゆめ∞みた」も放送していますし、10月にはAve Mujicaの続編となる新作映画、2027年1月には「BanG Dream! It's MyGO!!!!! / Ave Mujica」のTVアニメ続編シリーズがあることを考えると、バンドリ!は常に展開があって、バンドリ!にかかわる各グループ会社、セクションが下がることはないと考えています。バンドリ!に関わっていないグループ会社・セクションはほぼないため、全体的にどの部門も少しずつ上がっていくんじゃないかと思います。さらに「BanG Dream! Our Notes」のヒットが加わったら、さらにその波及効果が各会社で出てくるのかなと思っています。
根本: 「BanG Dream! Our Notes」は保守的な予想と書かせていただいていますけれども、今回MyGO!!!!!シリーズ以降のバンドを中心にゲームを作っており、それらのバンドの過去の数字から見た上で、保守的に予想しております。ですが、Ave Mujicaは「バンドリ! ガールズバンドパーティ!」でプレイアブルとしては登場したことのないバンドであること、夢限大みゅーたいぷは現在TVアニメ放送中、かつ新しく2バンドも追加しそれも海外含めてかなりいい前評判をいただいているので、ゲームの売上は水物ではありますが上手くヒットさせることができればと思います。過去のバンドリ!プロジェクトでは、新しいバンドが増えることで、既に活動しているバンドの動員に波及していくこともありますので、新作ゲームがヒットすることで、現在運用中の「バンドリ! ガールズバンドパーティ!」にもユーザーが還流し、増えることもあるかなと考えております。
成田: MDについては、エネルギーコストが跳ね上がって価格転嫁されている現状はありますが、一方で市場は全然冷えていませんので、売上高だけで見ると伸びていっている状況が弊社に限らずまあ今後もしばらく続くかなと予測しております。これはもう結果論ではありますが、ここ数年で海外に強いプロダクトとして「PalVerse」や「BUSHIROAD THE BOX」などが増えたことで、輸出面で円安のメリットを正直かなり感じています。製造を海外で行っているケースもあるのでデメリットの部分もありますが、それを超えるくらいのメリットを輸出に感じており、そのような観点でも増収に繋がりやすいなと思っております。一方でコスト高というところは避けられない部分もございますので、販管費や原価を注視していく必要はもちろんございますが、直近3年くらいでMDは事業モデルが変わったことが功を奏しています。自社IPに頼る部分もありますが、今期も順調に推移していくのではないかなと考えております。
質問者: 代表取締役の異動など経営体制の変更がある(https://ssl4.eir-parts.net/doc/7803/tdnet/2856635/00.pdf)とのことで、今後の意気込みなどを教えてください。
木谷: 本当は会社創立20周年に合わせて来年の予定でした。エンタメは、実は皆さんが考えられている以上に経験が大事なんです。個人でやっている方や、学生時代からやっていたものが大ヒットするケースは勿論ありますが、組織の中で作るとなると、色々なケーススタディを勉強している、社外に人脈もいる、社内でも話を通すことができる、契約書やビジネスプランなどそういったものが一通り分かっている必要があります。特に場数が大事だと思っています。私も最初から作れたわけではなく、色々やっていくうちに、前の会社で作品が作れた、売れたとなった時に、「これは会社を作るのと同じじゃん」と。コンセプトがあってヒト・モノ・カネをどう使うかを考えるため、起業するのと似ているんです。逆に言えばそれぐらい新しいコンテンツを作るのは難易度が高いという話です。特に0から作るのは相当難しい。既にあるもので何か面白いものを作ったり売れる商品を作るのは、0から作るより100倍簡単です。経験が非常に大事というところはありますが、一方で、昨今の世の中の変化のスピードの速さ、あとAIをどう使いこなすか、AIをどう味方につけるかが企業の行く末を決定づけるこの時代において、若い根本や成田が中心となって、このAI時代をしっかり乗り越えてもらうことが必要です。
根本に新社長になってもらう理由は2つあります。1つはマネジメントが非常に上手いことです。要点を捉えたり、無駄なものは無駄、やるべきことはやる、このメリハリをクールにできている。2つ目は、MyGO!!!!!やAve Mujicaによってバンドリ!が第2ステージに入ることができた点です。まずは「バンドリ! ガールズバンドパーティ!」がなければ、ここまで長いことバンドリ!プロジェクトを続けることができなかったというのはご周知のことかと思います。ただ、第1ステージのままで同じように続けていたら、「バンドリ! ガールズバンドパーティ!」だけをやっていたら、今のバンドリ!はなかったと思います。第2ステージとして、全く違う作風で新しいファン層を呼ぶことができた。その中で東アジア、特に中国で大変受け入れられていることもあります。これは0から作ってるわけではないですが、1とか2くらいからは作っているんですね。1とか2から作れるようになって、さらに経験を積むと0から作れるようになります。まとめますと、私は経験の部分でまだできることがあるかなと思っているので、引き続き携わっていきます。根本・成田は、新しいものに取り組んで、それをさらに成長に繋げるようなことができると思っていますので、このような体制にさせていただきました。
質問者: 『パルワールド オフィシャルカードゲーム』はアメリカの出荷が好調とのことでしたが、中国はどうでしょうか。パルワールド自体のゲームユーザーが世界中にいて、北米は特にユーザーが多いかなと思いますが、中国ユーザー向けの施策はありますでしょうか。
木谷: 先日も、上海、台北に行って、ショップ訪問や現場の状況を見たり、店舗の店長と話したり、中国で『パルワールド オフィシャルカードゲーム』簡体字版の問屋をやっていただいている会社にも訪問してきました。中国とアメリカは規模感が並んでいるように見えるかと思いますが、実際のTCGのマーケットは、正式なデータではありませんが、私の感覚的にはアメリカの規模が10、日本が8、中国は1という印象です。中国は現在トレカのマーケットが大きく、今後ブームがTCGに移るのではないかと予想しています。また、簡体字版は日本語版・英語版と定価の設定を変えています。中国はまだ所得格差がとても大きく、定価設定を変えることで手に取っていただきやすくしています。中国のカードゲーム市場は潜在的な規模があるため、トレカからTCGに移る転換期であることや、所得水準が少しずつ改善もしくは成長すれば大きなマーケットになると考えており、現在取り組んでいるところです。
質問者: バンドリ!はライブの動員数が増えていますが、「まだマイナー」というお話をいただきました。メジャーなステージに行くための仕掛けや取り組みがあれば教えてください。
根本: マイナーという表現ですが、まずメジャーなアーティスト・メジャーなコンテンツの動員数だと東京ドームが即完売するレベルのものだと私は認識しております。なので、現時点におけるバンドリ!プロジェクトですとKアリーナで約1万9000人×2日間は完売しておりますが、まだそこ止まりである認識です。メジャーに行くために大事なのは、視聴者数を増やすことであったり、ゲームのプレイヤー数を増やすこと。そのために、2027年1月のTVアニメ放送は日本テレビ様と組むことに決めました。モバイルゲームについても、いつでもどこでも触れられるコンテンツであり、ファン層の年齢幅を広げられる機会であると考えているため、ゲームとTVアニメ放送でメジャーへ繋げていきたいと考えております。
木谷: 付け加えると、4月に台北で開催した「BanG Dream! Special LIVE in TAIPEI」は2日間で約2万6000人入っています。日本からの来場者は少なく、人口比で考えると実は日本で言うとドーム何個分と同じレベルのメジャー感はあると思っています。
【閉会に向けて】
木谷: 本日はご参加いただきまして本当にありがとうございます。リアルな説明会は久しぶりに開催させていただきました。私より根本や成田の話を聞きたいということもあると思いますので、根本にマイクを渡したいと思います。今日はご来場ありがとうございました。
根本: 9月の株主総会をもって代表取締役社長に就任予定の根本です。抱負としましては、目の前のものでは、まずバンドリ!を大きくすることに尽きるので、年内リリース予定の新作ゲーム「BanG Dream! Our Notes」と、現在放送中の「バンドリ! ゆめ∞みた」や、新作映画、続編シリーズに向けて私自身のリソースを集中させていきたいと思っております。それとは別に、代表としてやっていきたいことをお話しします。私が新卒で入社してから現在まで感じていることですが、ブシロードが競争力を持って成長してきた源となっているのは、新しいプロジェクトを立ち上げ、若手を抜擢してきたこと、それによって社員が成長してきたことにあると思っています。私自身も、2017年にバンドリ!のアニメのプロデューサーから始まり、2018年からチームリーダーになり、さらにバンドリ!プロジェクトのプロデューサーになりました。ブシロードグループでの直近の事例ですと、ブシロードクリエイティブにおいて、「PalVerse」を成長させることで「PalVerse」のディレクターやプロデューサーも大きく成長していると考えております。事業を大きくし成長する過程で、新しいプロジェクトやIP、サービスなどを立ち上げて若手を抜擢することで、より大きな会社にしていけると思っておりますので、その精神を忘れないように推進していければと考えております。今期も応援よろしくお願いします。ありがとうございました。